●地域を自分たちの手で

◇団員の総力を結集
山林火災では、消防団の力が消火活動に大きく貢献した。「火災現場までは約2時間歩かなければならない危険な山道でした」と振り返るのは、市消防団を束ねる諸星団長。市内で造園土木業を営みながら、30年以上にわたり消防団の活動に携わってきた。
発災当日には全団員375人に招集をかけ、188人が出動。「山林火災で全団員を同時に招集することは初めてでした」。山の中には消火活動に必要な水を確保する場所がないため、発災地点まで資機材を運搬する必要がある。この運搬に、多くの人手を要したのだという。団員は、山中に設置した水槽から発災地点まで、約20キログラムの放水器具「背負い式消火水のう」を担ぎ上げ、点在する発火場所を消火。さらには、登山道から外れた場所の探索などに当たり、3日間で延べ347人が活動した。一方で、長期化した場合でもスムーズに活動ができるよう体制を整えるなど、これまでに経験したことのない難しさがあったという。
◇まちを守る使命感
消防団は、「自らの地域は自らで守る」という精神の下、地域住民により市内7分団36部で構成されている。団員は仕事や家庭を持ちながら、火災や地震、風水害など、いざというときには現場に駆け付け、地域の安全・安心を守っている。市内で発生する建物火災では、消防署と共に現場に出動し、初期消火や交通整理、延焼防止に当たるのが役割だ。消防隊だけでは対応が難しい場面でも、発災現場の近くに住む消防団員がすぐに活動に加わることで、被害を最小限に抑えることができる。
台風や大雨のときには、河川の警戒や土砂災害の恐れがある場所の巡回、避難誘導なども務める。おととしの台風第10号の際には、土砂の片付けや避難誘導などを行い、市民の安全確保に当たった。多様化する災害現場に備えるため、市消防団では3カ年の訓練計画を策定。火災や地震、風水害など、さまざまな想定で訓練を重ねている。
一方で、全国的な課題となっているのが担い手不足。転出者の増加やライフスタイルの変化により、消防団に入団する人は減少傾向にある。市消防団では、より多くの人に消防団の活動について知ってもらおうと、SNSで情報発信をする予定だ。「まずはどんな組織なのかを知ってもらいたいです」と諸星団長。ゆくゆくは、各分団や部ごとの特色ある活動を紹介していきたいと意気込む。
地域の安全・安心を守る最前線に立つ消防団は、18歳以上であれば誰でも入団できる。諸星団長をはじめ消防団員たちは、新たな仲間の入団を心待ちにしながら、今日も備えを続けている。「消防団は、地域消防の最後のとりで。日々の訓練や災害対応で得たスキルが、身近な人を救うこともあります。一緒に大切な人やまちを守る力を培ってみませんか」
◎土のう積み訓練。送風機を使用して台風災害時を再現
◎救出訓練は土砂災害を想定した
※写真は広報紙4~5ページをご覧ください
◎Photo
(1)ミズヒ大滝での山林火災訓練。水源のない山間部での放水のため、約90キログラムの可搬ポンプを滝上へ引き上げた
(2)水圧や放水方向の調整など、日々の訓練が有事の消火活動に生きる
(3)大倉尾根の山林火災では、3日間連続で入山した団員も
(4)はしご付消防自動車は約30メートルの高所に届く
(5)救急隊による心肺蘇生。移動中の処置が命を救う
(6)両市の知識や土地勘を補うため、指令業務は必ず2~3人体制
(7)市消防本部では現在44人がドローンを操縦できる
※写真は広報紙4~5ページをご覧ください
問い合わせ:
・情報指令課
【電話】63-0119
・警防課
【電話】81-7992

