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街を彩るふるさとの調べ(2)

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神奈川県秦野市

●〝降りて聴く〟をきっかけに

小田急電鉄(株)
栗林範之秦野駅長

列車接近メロディーを導入した秦野駅を取り仕切るのは、市内出身・在住の栗林範之駅長。「導入初日のホームには、朝早くから聴きに来ている人が結構いましたよ」とうれしそうに話す。駅長という立場だけでなく、一市民としても、地域のために尽くしたいと強い使命感を抱く。「LUNA SEAのSUGIZOさんは同じ中学校の1学年後輩なんです」。駅で流れる楽曲を聞いて、身近なスターの存在を誇らしく感じたという。「通勤や通学で慌ただしいお客様にとって、このメロディーがひとときの癒やしになればいいですね」
毎朝、徒歩で通勤しているという栗林駅長。北口駅前広場にある「まほろばの泉」で湧水をくんでから、駅舎に上がっているという。休日にも市内の湧水地まで足を運ぶというほど、根っからの名水好きだ。「列車接近メロディーの導入をきっかけに、日本一おいしい名水をもっと推していきたいですよね」とほほえむ。
駅のホームで流れる音は、乗客への注意喚起を目的に、発車ベルやブザー音として始まったと言われている。近年では、駅のイメージアップや地域の観光資源とすることを目的に、地元出身のアーティストやアニメなどとタイアップする駅が増え、注目されるようになった。一方で、ワンマン運転への変更や駆け込み乗車を助長するという意見などを理由に「発車メロディー」を廃止する路線も出てきている。そのような中、小田急電鉄が運用しているのは、列車の到着を知らせる「列車接近メロディー」だ。「列車を降りないと聴けないというのがポイントなんです」
ロマンスカーの発着本数が1日40本以上と、他社線と接続しているターミナル駅に匹敵する数に上る秦野駅。栗林駅長は、居住地・観光地の両側面でニーズがある駅として、社内的にも重要だと認識していることが要因だと話す。「小田急線開通時には多くの市民の方が関わったと聞いています」。同社の歴史が深く根付いている駅だからこそ、快適でゆたかなまちづくりを目指す連携協定を結ぶなど、今でも市と同社のつながりは強い。
市では、小田急線4駅のにぎわい創造に向け、各駅の特色や魅力ある地域資源を生かしながら、周辺市街地の活性化に取り組んでいる。中でも秦野駅北口周辺では、水無川沿いを楽しめる空間として活用する他、駅から北へ延びる県道705号の拡幅に併せ、多世代交流施設の整備を検討している。駅のにぎわい創造検討懇話会に参加するなど、小田急電鉄もこの取り組みには前向き。「市と協力して、駅周辺を中心に市内を巡ってもらう仕組み作りができればいいですね」。そのスタート地点になる秦野駅に、LUNA SEAをきっかけとして足を運んでほしいと願う。「LUNA SEAのファンや駅利用者から秦野のファンになってほしいですね」。秦野駅周辺のにぎわい創造は、駅と地域が手を携えながら進んでいく。


1 栗林駅長が毎日水をくむという「まほろばの泉」。駅前の湧水スポットとして観光の出発点にもなる

2 駅の改札前コンコースに貼られている「丹沢MAP」。「駅メロを聴きに訪れた人がこれを見て市内を周遊してくれれば」と話す

●進行中 秦野駅北口周辺のにぎわい創造
「歩いて楽しい、歩いて暮らせるまち」を目指し、市民や商業者などと行政が連携しながら、令和5年度に「秦野駅北口周辺まちづくりビジョン」を策定しました。水無川沿いや県道705号の沿道を核とした〝にぎわい創造〟に取り組んでいます。

◇水無川沿いの空間活用
車道の一部を歩行者天国として開放し、地域が主体となって「OMOTAN朝市」の他、夏祭りやハロウィーンなどの季節に合わせたイベントを定期的に開催。水無川の流れや丹沢の山並みを眺めながら散策したり、食事を楽しんだりできる空間を生み出すことで、訪れた人がゆっくりと滞在したくなる場所を目指します。

◎交流の創出を目指す

◇多世代交流施設の整備
「はだので様々(さまざま)な出会いや学びを育む交流拠点」をコンセプトとして、拡幅整備が進む県道705号沿道に多世代が交流できる新たな拠点を造る構想案を昨年10月に公表。こども館を移転し、子育て支援の場を設置する他、図書スペースや市民活動ができる場を設け、誰もが気軽に訪れ、「遊ぶ」、「学ぶ」、「働く」などの多様な活動ができる場を目指します。市民の主体的な活動を促進し、街の活力向上とにぎわいを創り出す市の中核的な拠点として令和11年度の供用開始を予定しています。

問い合わせ:秦野駅北口にぎわい創造担当
【電話】82-9615

       

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