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〈特集〉街中のにぎわい創り(1)

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神奈川県秦野市

小田急線4駅周辺の自治会や商店会、企業などで構成される「にぎわい創造検討懇話会」。商業者、学生それぞれの立場から参加し、街のにぎわいを創り出そうと活動する2人に話を聞いた。

■街の魅力を再発見
「自分たちの街は自分たちで盛り上げたいですね」。威勢の良い声で話すのは、本町地区で江戸時代末期から続く老舗の茶葉販売店を営む梶山明寛さん(46歳・本町3)。秦野駅北口周辺にぎわい創造検討懇話会に参加し、商業者視点でにぎわい創造のアイデアを提案してきた。
懇話会では、秦野駅北口周辺のにぎわい創造を目指し、水無川の景観を生かした快適な歩行空間の確保や、交流の場を創り出すための取り組みについて議論が重ねられてきた。新たに始まる秦野駅北口でのライトアップは、「まほろば大橋を活用したい」という懇話会の意見が一つの形になったものだという。
市では、提案された意見を基に中心市街地活性化基本計画を策定し、今年3月に内閣総理大臣から認定を受けた。古くから中心的な商業地として、市民の生活を支えてきた秦野駅周辺を活性化させるため、さまざまな事業を進めていく。
「長く住んでいても、地域の魅力を知らない人って多いと思うんです」と梶山さん。街を盛り上げるためにまず必要なことは、住んでいる人にこそ自身の街の魅力を知ってもらうことだと話す。秦野駅周辺では水無川から見た風景や歴史的建造物、身近にある魅力的なスポットや名産品に気付いてもらいたいと願う。「まずは、家の近くにある商店での買い物や、地域の祭りに参加して街を知るきっかけを作ることが大切だと思います」
梶山さんはこれまで、水無川沿いを歩行者天国にして飲食や体験イベントが楽しめる「はだののミライラボ」の開催に携わってきた。ミライラボは、訪れた人や地元の商業者たちの交流の場になったと振り返る。梶山さんは一過性のイベントで終わるのではなく、中長期的ににぎわいを創り続けることが重要だと考えている。「ここでできたつながりが今後の活動にも生きてきます」
自身が営む店舗は昨年、国の有形文化財に登録された。「歴史的建造物が多いこの地区が、子供からお年寄りまで幅広い世代の人たちが交流できる場所になれば」と意気込んでいる。先月、店の創業160周年を記念して開催したイベントには、多くの人が訪れ、憩いの場所となった。梶山さんは、〝人がつながり集う街〟になることを願って、今日も笑顔で店頭に立つ。

       

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