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6月1日~7日は水道週間 透き通る 誇れる水に 感謝する(1)

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神奈川県秦野市

毎日の生活に欠かせない水道水。市の水源は、約8割を「地下水」で賄っています。地下水はどのように広がり、そしてどのように家庭に届いているのか。水道週間をきっかけに、一緒に考えてみませんか。

■秦野水道の仕組み
市内の水道水は、地下水盆に蓄えられた地下水や河川水を主な水源とし、一部を県から受水しています。比率は、地下水約78パーセント、河川水約5パーセント、県水約17パーセントとなっています。中でも地下水は、地中に染み込んでいく途中で、カルシウムやマグネシウムなどの適度なミネラル分が溶け込んでいくため、まろやかで清涼感のある水となります。非常にきれいな水であるため、浄水にかかる費用を抑えることができ、配水方法も、山などの地形を利用し高い場所から低い場所へ流す「自然流下方式」を採用することで、配水ポンプ設備を少なくでき、安価に供給ができるという特長があります。
地下水をくみ上げる取水場は市内に46カ所あり、1日平均4万3200立方メートルの水をくみ上げています。その後、水を各家庭などに配る26カ所の配水場に送られ、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒の後、配水池に蓄えられます。配水池の容量は5万1400立方メートルあり、1日平均5万2400立方メートル(学校の25メートルプール約160杯分)の水を各家庭などへ配水しています。上下水道局では、これらの施設の適切な維持管理に、日々取り組んでいます。

■秦野の地下水
丹沢山地と渋沢丘陵に囲まれた秦野盆地は、県内唯一の盆地で、その地下構造は地下水をためておく「天然の水がめ(地下水盆)」となっています。ここには、芦ノ湖の約4倍である約7億5000万トンもの地下水が蓄えられているとされています。
まず、丹沢山地に降った雨などが染み込み、1日に約1メートルずつゆっくりと地下水脈を移動します。地下には多くの地層があり、浸透した水は砂より大きい小石が堆積した厚い地層の隙間にたまります。地下深層は岩盤がボウル状となっており、地下水が砂や小石などが混ざり合った地層にたまり続けるため、たくさんの水を蓄えることができます。
水が地下にあるために、水がなくなった場合の地盤沈下などを心配されることがありますが、実際には砂や小石などが混ざり合った地層であるため、一時的に地下水が枯渇しても地下が空洞化することはありません。
しかし、使う水とたまる水のバランスが崩れ、長期的に枯渇するようになると、水不足など水道水の供給に影響が出かねないため、市では、稲作後の水田や休耕田を利用して、農業用水を地下に浸透させる人工かん養などで、地下水の保全に努めています。

■秦野水道を未来へつなぐために
水道は、豊富な地下水に支えられ、生活に必要不可欠なライフラインとして今日まで受け継がれてきました。令和5年に料金改定を行なったものの、人口減少や節水機器の普及などにより、水の使用量の減少が続き、水道料金収入は減少する見込みです。一方で、昭和40年代に集中的に整備された管路や施設の多くが老朽化し、更新にかかる経費は、平成22年からの10年間で約71億円でしたが、令和3年からの10年間で約136億円と、約2倍になる見込みです。
今後も安定した水道事業を運営していくために、市では令和3年3月に、計画期間が10年間の「上下水道ビジョン」を策定し、経営基盤の強化と健全経営に努めています。今年度は、有収水量の減少や社会経済情勢の変化など、上下水道事業を取り巻く厳しい状況に対応するため、令和8年度から12年度までの事業計画を見直していきます。
今後も安定したサービスを継続し、良質な秦野の水を後世に引き継げるよう努めていきます。


※令和4年度は国の補助金を活用し、減額措置を実施。

問い合わせ:経営総務課
【電話】81-4113

       

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