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運用スタート 秦野市・伊勢原市共同消防指令センター119

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神奈川県秦野市

220インチの大型表示盤の前に並ぶ指令員。その腕には2種類のワッペンが。2市共同の指令センターは、1月29日に運用を始め、4月からは新たに先進的な機能が稼働します。管轄する人口は約26万人。年間約2.2万件の119番通報を受信します。

■共同運用の仕組み
生活圏が深く結び付いている本市と伊勢原市。通報の受信を一元化することで、これまでは互いに電話で行っていた応援要請が、指令センターの中で判断して効率的に行えます。特に、市境に面した地区で発生した災害には、本市の消防・救急車両の他に伊勢原市の車両を配備する仕組みをあらかじめ組み込むなどで、出動がより迅速に。山岳事故や高速道路上での事故など、2市をまたぐ場所への対応も早くなり、市民の皆さんの命を守るための体制を強化しました。

■命を守る新機能
◯(1)AI技術の活用

通報者と指令員の声をAIが認識し、チャット形式で文字起こし。地名を認識するとGoogleマップ上に自動で表示します。分かりづらいエリアからの通報への対応も効率化します。

◯(2)ドローン連携
消防本部が所有するドローンを映像通報システム「Live119」と接続し、災害現場などで撮影している映像をリアルタイムで大型表示盤に映し出すことができます。建物の上層階で起こった火災や山岳地帯での事故など、目視では確認が難しい災害に対し、より的確な情報収集ができます。

■顔の見える関係から目で話せる関係へ 共に働く2市の指令員
2市の消防から志願者が配属された共同消防指令センター。その中には、両市の女性指令員が。なんと2人は消防学校を同期で卒業した顔見知り。1月からの運用で、新しい仲間やシステムの操作もなじんできた今、感じることを聞きました。

◯共同運用に当たって、不安はありましたか。
高橋:消防指令業務自体が初めてでしたが、運用が始まる前に2カ月間みっちり研修を受けたので、新しいシステムでも安心して操作できています。
杉山:慣れないメンバーでもっと硬い雰囲気になると思っていましたが、よくコミュニケーションが取れています。システムの扱いに不安があっても助けを求めやすい関係性が築けました。

◯共同運用してみて、感じていることはありますか。
高橋:今までは火災が発生すると、消防と救急両方の指令を行うケースがありました。共同で運用していると、発災地ではない市の指令員は手が空くので、消防と救急の役割分担ができて効率的です。
杉山:今までは秦野市に応援要請をする場合、都度電話で連絡していましたが、隣同士で同じモニターの情報を見ているので、初動が早くなりました。アイコンタクトで連携することもありますよ。

◯今後の課題はありますか。
杉山:災害の規模に応じた車両の配備基準など、これまでの両市では運用が異なっていた部分が多々あります。それぞれのやり方ではなく、運用していく中で、最善の「新しいやり方」を導き出せればと思います。
高橋:近年の通信回線は、大容量かつ高速化が進み、ICT技術も飛躍的に向上しています。これからも最先端の技術を積極的に導入して、両市の安全・安心な暮らしを守っていきたいと思います。

◎指令業務は必ず2~3人体制。両市の知識や土地勘を補う

問い合わせ:情報指令課
【電話】63-0119

       

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