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〈特集〉未来へのメッセージ(1)

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神奈川県秦野市

今年の1月1日に、市制施行70周年を迎えた本市。これまでの歩みを振り返り、新たな時代を切り開くために実施してきた記念事業には、次世代の担い手が多く参加した。彼らが未来の秦野へ託した思いを探るため、二つの事業にスポットを当てた。


◎Photos
(1)未来ポスト返却式実行委員会の委員と各中学校の現役中学生が世代を超えてペアを組み、メッセージボードを掲げた
(2)左から近江委員、原委員長、浅川委員
(3)中学校ごとに設けられた手紙の返却ブース。担任の先生を囲んで盛り上がる
(4)委員の1人が、10年前の手紙の朗読と今の私についてスピーチ

●手紙がつないだ仲間の絆
「中学生の頃の記憶が、手紙を通じてよみがえってきますね」。思い出話に花を咲かせながら語るのは、「時を越えたメッセージ」でセレモニーの運営を担った原秀彰委員長、近江桃子委員、浅川杏奈委員。彼らを含む計7人の委員は、5年前に開催した「新成人のつどい」でも企画や運営に携わっていた。市の担当者から声が掛かったときは、同じメンバーで新たなチャレンジができる期待感に胸が躍ったという。
委員のほとんどは、市外在住者。忙しい合間を縫ってオンラインなどで打ち合わせを続け、セレモニーの構成や演出まで、自分たちで作り上げた。積極的に同級生へ連絡した結果、当日手紙の返却ブースに集まったのは、200人以上。原委員長は、「学生時代の映像を見たり、当時の先生と話したりして、みんな、あの頃の自分に戻れたと思います」と頰を緩める。

●10年後の自分と「ふるさと秦野」
手紙を書いてから10年、市内外で活躍している同級生たち。委員の3人もそれぞれの道を歩んできた。
前向きな性格は、今も変わらないと笑みをこぼす近江委員。書いた内容は覚えていなかったが、当時の夢だった看護師として働いている。「気付かないうちに、夢に向かって努力していたことに驚きましたね」。仕事の都合で秦野を離れた時、水道の水が口に合わず、飲料水を買うことが多くなったという。「当たり前のように家で飲んでいた水のおいしさに気付きました」
放課後児童支援員として小学生を支える浅川委員の手紙にあったのは、お世話になった先生の名前や、生徒代表として卒業式で述べた言葉。生徒会長を務めていた当時が懐かしいと話す。現在、県外に住む中で感じる秦野の良さは、公園などの公共スペースが広々している点だと浅川委員。「子供が伸び伸び遊べて、家族連れもゆっくりできる場所は大切だと思います」
手紙に書いた通り、中学校教諭になる夢をかなえ、今も市内で過ごす原委員長。中学校給食の開始や新東名高速道路の開通など、町の変化を感じているという。久々に帰郷した友人からは、「駅周辺に店や集合住宅ができ、にぎわっている」との声も。
10年を経た今、「自然の風景は、変わらずに残る秦野の魅力ですね」と口をそろえる3人。浅川委員は、実家に帰る時に見る丹沢の山並みや桜並木が続く水無川の風景に、心が落ち着くという。昔から変わらない景色が、秦野をふるさとに持つ人たちの、心のよりどころになると力を込める。

●未来の秦野に寄せる思い
子供たちが多様な個性を伸ばしていける環境を、より充実させてあげたいと話す原委員長。生徒一人一人に対する、より丁寧なケアは、秦野を支えていく人材の育成に欠かせない。
小学生時代の工場や消防署の見学が印象に残っているという浅川委員。「今後も企業や市が協力して、地域全体で子供の成長を支えてほしいですね」と願う。
観光が有名な町で過ごした経験を持つ近江委員は、「食」が人を呼び込むきっかけの一つではないかと推測する。「落花生やジビエ料理など、秦野らしさのある商品を手軽に買えたり、食べ歩きができたりするスポットが増えるといいですよね」。3人は、それぞれの立場や経験から、地元への異なる願いを抱いている。
委員たちが現役の中学生と共に発信したメッセージ「はだのから未来へ!」。市内の中学校の数と同じ九つのボードには、前向きな姿勢で、秦野を明るくしていきたいという強い意志が込められている。手紙をきっかけに再認識するふるさとへの思いが、より良い未来につながっていく。

       

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