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特集マイナ保険証 その1枚で救急は加速する

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神奈川県秦野市


本市の実証事業は、9月6日(金)から約2カ月間。国によると、マイナンバーカード保有者の78.5%が健康保険証の利用登録をしているという。マイナ保険証や市独自のICT化の取り組みとの連携は、市の救急医療に新たな風を吹き込む。

■マイナ救急に期待
「救急と医療のよりスムーズな連携に一役買うと思います」と二宮課長は力を込める。実証事業で使うのは、健康保険証の利用登録をしているマイナンバーカード(マイナ保険証)。傷病者のカードを専用端末に差し込み、システムに接続すると、病院の受診歴や処方薬、健康診断の結果などが閲覧できるようになる。
実証事業を行う背景には、近年救急出動の件数や通報を受けてから医師に引き継ぐまでの時間が増加しているという実情がある。通常119番通報を受けた救急隊は、傷病者の名前や生年月日の他、病歴、服用薬などを口頭で聞き取る。しかし、けがや病気で苦しむ本人から情報を聞き出すのは簡単ではない。その相手が家族であっても同じことだ。「苦しむ家族を見て、平静を保てる人はそういませんからね」。正確な情報が得られないと、医療機関の選定は難しい。救急活動が長引くことで、症状の悪化を招く可能性さえある。
そんな悩みを解決するのが、マイナ保険証。医療情報が閲覧できることで、聞き取りの時間や搬送時間は大幅に縮まるかもしれない。傷病者の体への負担も軽くなるはずだと、二宮課長は期待を込める。「時間に余裕ができれば、傷病者の心に寄り添った対応をすることも可能になります」

■連携でさらに強化
市では、4月に運用を開始した「救急医療支援システム」との将来的な連携を目指している。このシステムは、これまで行われていた傷病者から聞き取った医療情報の紙への記入や医療機関への口頭での連絡を、タブレット端末を使って行うというもの。脈拍、呼吸などのバイタルサインや現場の写真、心電図データなどマイナ保険証では得られない情報を、連携先の医療機関に送信することができる。医師は前もって傷病者の状態を正確かつリアルタイムに把握できるため、必要な医療器具などの準備を整えられる点がメリットだ。
市は令和5年4月から令和6年3月まで実証実験を実施。その間に行われた搬送の件数は8743件だった。うち、協力救急医療機関への搬送件数は5110件で、現場活動で約1分、収容依頼で約1分、病院滞在で約2分の短縮ができたという。二宮課長が期待するのは、マイナ保険証を組み合わせることで進む更なる時間短縮。「救命効果が高まり、後遺症の軽減にもつながるはずです」。今後は、マイナ救急の検証結果などを踏まえて、システム上の連携を検討するそうだ。
救急搬送の迅速化という、喫緊の課題を解決する糸口になり得るマイナ救急。一刻を争う状況で、マイナ保険証があなたの命を救う〝キーカード〟になるかもしれない。利用するにはマイナンバーカードの作成と健康保険証としての利用登録が必要なので、まだ作成や登録をしていない人は、非常時の備えとして検討してみては。

◆命を救うためにできること 市救急フェア2024
とき:9月7日(土)午前10時~正午
ところ:イオン秦野SC
内容:
・心肺蘇生法やAEDの体験
・子供用消防服の着用体験
・救急車の展示
・チアダンス(東海大学体育会)
・消防協力者表彰感謝状贈呈式

◎応急手当ての方法を学ぶ

問い合わせ:消防管理課
【電話】81-8020

       

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