●絶景への道のりは優しい足元でした。
まばゆい日差しに新緑が輝き、心地よい風が吹く──。自然と外に足が向くような、まさに山登りのトップシーズンがやってきた。
「本格的な登山は不安だな」という人もご安心を。市内では、標高200~300メートルほどの気軽な低山ハイキングが楽しめる。その一つ、千村地区の頭高山は、この春、さらに歩きやすくなってハイカーを迎え入れる。
山頂までの道中に施されたのは、ウッドチップの舗装。程よいクッション性が、歩く人の疲労感を軽くする。素材には、各地でも問題となっている「ナラ枯れ」の被害に遭い、放っておけば倒れる危険性がある木々を再利用した。
「山登りに挑戦してみたい」という人を尻込みさせるのが、ヤマビルの存在。対策としてウッドチップ舗装には、もうひと工夫が。つなぎに使われている「のり」には、ヒルの嫌う成分が含まれていて、ハイカーの足元を守る。
適度に汗をかいて登りきると、山頂では新たな景色がお出迎え。枯れた木々の伐採で、丹沢の山々を一望できるようになった。
一石三鳥のウッドチップ舗装で、魅力が増した頭高山。今月18日には市植樹祭の会場となり、伐採で樹木が減った分、イロハモミジやミツマタなど、155本が植えられる予定だ。新たな木々と舗装路が彩るハイキングコースを、ぜひ最高のシーズンに味わってほしい。
◎Photos
(1)山頂の眺望。気楽に行えるハイキングとはいえ、絶景を前にすれば達成感もひとしお
(2)坂道には階段を新調。丸太を使った手すりがハイキングをサポート
(3)道中の木々からは、きらきらと木漏れ日が差す
(4)敷き詰められたウッドチップ。木材の再利用で地球温暖化対策にも貢献
(5)山頂にある東屋には、新しい丸太いすを設置
問い合わせ:森林ふれあい課
【電話】82-9631