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[Next100Years]関東大震災から100年 次の100年のために

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神奈川県秦野市

大正12年に発生した関東地震によってもたらされた、関東大震災。南関東を中心に10万人以上の死者・行方不明者を出し、本市でも、本町地区で発生した大火や山間部の土砂崩れにより、多くの被害が出た。同規模の地震がいつ起きてもおかしくないといわれる今、大災害と向き合うために、過去から学びその教訓を未来に生かす。


◎地震による火災で232棟が全焼した本町四ツ角付近

■当時の人々が残した災害の記録
死者・行方不明者181人、家屋全壊1490棟。後に秦野市となる1町6村で出た被害の数だ。本町は火災、大根や鶴巻は家屋の倒壊により、大きな被害を受けた。それ以外の地域で多かったのが、実は土砂崩れによる被害だった。
「関東地方で発生した土砂災害の中でも、一番被害が大きかったのが秦野なんです」。そう話すのは、砂防フロンティア整備推進機構の専門研究員である井上公夫さん(75歳)。人が住んでいない場所で起こった土砂崩れは、人的・住家被害が出なかったため公的な記録が残っていない。しかし、住民の記録などから痕跡をたどることができるという。水無川上流では、土砂崩れや土石流が発生したことが、個人の手記として残されている。
「被害に遭った住民の話や記録の他、供養塔や記念碑などからも、市内各地で土砂崩れがあったことが分かっています」。震生湖や河原町など、市内には計8カ所の供養塔や記念碑があり、犠牲者の人数や当時の状況を今に伝えている。
中でも死傷者が出るほどの大きな被害を受けたのが、金目川上流の蓑毛や葛葉川上流の菩提だ。菩提にある復旧記念碑には、家屋の倒壊により交通が絶たれ衣食が不足したこと、数えきれないほどの山地の亀裂や崩落があったことなどが記されている。
秦野市史にも、谷の壁面から崩落して川をせき止めていた土石が、2週間後の豪雨で崩壊したことにより土石流が発生し、多くの家屋や畑が流失した、と当時の状況に関する記録が残されている。
なぜ、市内で土砂災害が多く発生したのか。その理由を、「富士山の噴火などで降り積もった噴出物でできた土地が多く、地盤が盤石ではないからです」と井上さんは説明する。特有の地質環境で、大地震が土砂崩れの引き金になったようだ。川をせき止めてできた震生湖の崩落面にも、噴火による堆積物が確認できる。それが原因で地すべりが起きたことが、ボーリング調査によって判明している。

■地震の教訓を未来に生かす
「今後同規模の地震が発生したら、土砂災害による被害は100年前より大きくなるでしょう」と、井上さんは力を込める。現在の人口は、震災当時の5倍近い約16万人。山間部の開発や整備が進み、当時土砂崩れが発生したが人家が無かった場所にも人が住むようになった。それが、土砂災害の危険性が増す要因となると指摘する。
土砂災害に備えるために、まずすべきは、自分の住む地域の当時の被害状況、そして今後どのような災害が起こりうるのかを知ることだ。「ハザードマップなどで確認することが、被災したときにどうすべきかを考える助けになります」。避難経路を確認することも必要だと話す。「避難場所が分かっていても、いざというときに子供や高齢者でも通れるのか、実際に体験しないと分からないことが多くあります」と、訓練などによる備えの大切さを説く。
地震による土砂災害から身を守るためには、過去の災害の特徴を知り、危険な場所を把握しておくことが重要だ。いつか来る災害に万全の態勢で備えるために、今一度、日頃の備えを確認しよう。

◎秦野の被害状況

◆ハザードマップをいつでも確認できる 市総合防災情報システム
ハザードマップの情報や避難所の状況、通行止めなどの情報をスマートフォンやパソコンでいつでも確認できます。安全で適切な避難行動につなげるためにも、ぜひ活用してください。
※9月3日(日)は、総合防災訓練用に災害状況などを掲載

◯雨雲の動きが確認できる機能を追加
気象庁のレーダー観測に基づき、5分ごと60分先までの降水強度分布が表示されます。雨が弱くなる時間帯や降り止む時間などを確認し、適切なタイミングでの避難行動に役立てましょう。

システムへの接続は下のURLから
※市公式LINE「安全・安心メニュー」からも見られます
【URL】https://iot.trims-cloud.net/hadano_bosai/deploy/html/index.cgi

◆もしものときに備えよう お届けします 緊急情報
◯ご利用を 防災行政無線のプッシュ型電話・ファクス配信
内容:防災行政無線で発信した内容を電話やファクスへ自動で配信
対象:防災行政無線や緊急情報メールなどの情報入手が困難で、次のいずれかに該当する方
・身体障害者手帳(視覚・聴覚障害)を持つ
・高齢者世帯
・携帯電話を持っていない
※防災行政無線が聞こえにくい地域に住む方も利用できる場合があります
申し込み:申請書(市役所西庁舎3階防災課にあります)を防災課へ持参

◯確認できます 防災行政無線の放送内容
防災行政無線が聞き取りにくい場合は、【電話】︎0120-540-822(無料)に電話してください。

◎他にも緊急情報を取得するには
下のURLから登録方法などの詳細を確認できます。
・緊急情報メール
・市公式LINE
・危機管理Twitter
・市ホームページなど
【URL】https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1001000001114/index.html#kinkyuzyouhou

問い合わせ:防災課
【電話】82-9612

問い合わせ:
・防災課
【電話】82-9621
・生涯学習課
【電話】87-9581

       

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