平成16年1月1日、地下水汚染発覚の発端となった弘法の清水にて行った「名水復活宣言」の様子。
地域住民とともに水質の改善を祝い乾杯を行った。
■秦野名水復活の道のり
●1989年 平成元年1月
弘法の清水の水が化学物質テトラクロロエチレンで汚染されているという報道が写真週刊誌に掲載される。
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●1989年 平成元年10月
調査と浄化をどのように進めていくか専門家の意見を聞くため「秦野市地下水汚染対策審議会」を設置。
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●1993年 平成5年
「秦野市地下水汚染の防止及び浄化に関する条例」制定後、全国で初めて条例に基づいた調査と浄化対策を推進。
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●1997年 平成9年
汚染地下水を揚水し、水に溶け込んだ汚染物質を除去する「地下水浄化事業」を開始。
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●2003年 平成16年1月
弘法の清水の汚染濃度が、条例の浄化目標値を恒常的に下回ったことから「名水復活」を宣言。
◎忘れずに伝えて行こう
平成元年、秦野市を代表する湧水である「弘法の清水」の水が、発がん性物質に汚染されているという報道がされました。
当時の法律(水質汚濁防止法)では地下水汚染の未然防止を規定していましたが、既に汚染されてしまった地下水の浄化については定めがありませんでした。また、地下水は流れが非常に遅いことから汚染の浄化は難しく、当初、浄化までは約100年かかるといわれていました。
市は専門家の意見を基に調査を進め、汚染原因者に土壌浄化の責任を負わせる全国初の条例を施行し、市一丸となって汚染対策事業を推進しました。
これらの先人たちの努力により、平成16年1月1日、当初の予想を上回る驚きの早さで「名水復活」を実現し、その後も地下水の質と量の保全活動に注力してきました。
特に、市内の水道施設で地下水を取水しボトリングした「おいしい秦野の水丹沢の雫」は、名水百選選定30周年を記念して平成28年に環境省が実施した「名水百選選抜総選挙」において、おいしさが素晴らしい名水部門全国一位を獲得し、秦野名水の魅力を全国に知らしめるものとなりました。
「名水復活」から20周年を迎える令和6年を前に、今一度、当時の取り組みを振り返り、水の大切さについて考えてみてください。そして、全国に誇る秦野名水をより多くの方に知ってもらい、次の世代を担う子供たちに守り伝えていきましょう。
◎おいしい秦野の水 丹沢の雫
■[クラウドファンディング実施中]弘法の清水の水屋を更新します
名水復活を象徴する弘法の清水は水屋の設置から36年が経過し、木造部の経年劣化により湧水への影響が危惧されています。
復活宣言から20年を迎えるこの機会に、水屋の更新を予定しています。現在、市では更新の費用を集めるため、ガバメントクラウドファンディングを活用した寄附を募集しています。
歴史的な湧水を保全するため、URLからご協力をお願いします。
【URL】https://www.city.hadano.kanagawa.jp/www/contents/1689291155411/index.html
■地下水の保全と利活用のバランス
地下水は「市民共有の財産」であり、限りある資源です。
◎水資源保全管理ダッシュボードは市ホームページへ
【HP】https://www.city.hadano.kanagawa.jp/hozen/index.html
●秦野名水を育てる取り組み
◇[ご相談ください]家庭用雨水浸透施設設置補助金
自宅に「雨水浸透ます」または「透水性舗装」を設置する方に、費用の一部を補助します。
補助対象:本町、南、東、北、西地区の新築、既存住宅に設置する方(対象地区内でも、がけ崩れの危険性があるなど、補助対象外となる場合があります)
補助額:設置費用の2分の1
・雨水浸透ます…上限1万2500円/基、4基/宅地
・透水性舗装…上限1000円/平方メートル、50平方メートル/宅地
◇[水田をお持ちの方へ]休耕田などを活用しよう 水田かん養事業
1年間または冬季に水を注入し、地下水かん養に協力できる休耕田や水田を募集します。
対象地区:本町、南、東、北、西地区(堀山下など、一部補助対象外地域あり)
契約内容:市と土地賃貸借契約および土地維持管理委託契約を締結
契約金額:1000平方メートル当たり年間約5万円
●秦野名水を伝える取り組み
◇[参加者募集]名水を巡ろう 秦野名水さんぽ
秦野が誇る名水地を巡りながら水を生かしたグルメや水を使った体験ができるイベントを、年数回開催しています。希望者にはメールなどで案内を送付します。
◇秦野名水名人講
毎年4月から、年5回の講座を通して水に関する基礎知識を身に付けていただき、講座を修了した方を「秦野名水名人」に認定しています。講座終了後は「秦野名水名人講」の一員として啓発活動に協力していただいています。
◇[事業者の方へ]一緒に名水をPR 秦野名水ロゴマーク
平成26年に「秦野名水の利活用指針」を策定し、「秦野名水」のロゴマークを作成しました。
市営水道などの名水を生かした商品を開発し、名水の魅力を一緒に発信しましょう。
※ロゴマークの使用には申請が必要です。
※詳しくは広報紙をご覧ください。
問い合わせ:秦野市環境産業部環境共生課
【電話】82-9618
【メール】k-kyousei@city.hadano.kanagawa.jp