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〈連載企画〉はだの浮世絵 and Miyanagaコレクション

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神奈川県秦野市

はだの浮世絵ギャラリーと宮永岳彦記念美術館の市所蔵作品を通じて、作品の時代背景や裏話を紹介します(詳しい解説やバックナンバーは市ホームページで公開中)。

●月夜の下で鳴く虫たちの演奏
◇歌川広重「東都名所 道灌山虫聞之図」
秋の夜長に虫が奏でる鳴き声を聞き、俳句や詩歌を歌って楽しむ「虫聞き」の名所として知られた道灌山。景勝地でもあるこの地で、大きな月が昇るのを待ちわびながら月見酒を楽しんでいる人たちや、虫かごを見せている親子のほほ笑ましい様子などを温かい目線で描いた1枚です。

●銀座での新しい船出
◇銀座の午後 昭和25年
戦後の再出発を切った1940年代から50年代初頭、宮永は主に銀座の街を舞台とした絵を描きました。この作品は昭和25年の二紀展への出品作。銀座のブティックの店内にいる赤いスーツに身を包んだ女性と、観葉植物の後ろの鏡に映る女性は洗練された佇まいです。
宮永は「銀座は俺が描く」との言葉通り、憧れの地の風俗に強い関心を持ち制作に取り掛かります。日本で最もファッショナブルな街とそこに集う女性たちの姿に、戦争が終わった解放感と新たな時代への希望を感じたのでしょう。

問い合わせ:文化振興課
【電話】86-6309

       

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