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〈特集〉充実する医療体制 断らない救急医療を目指して(2)

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神奈川県秦野市

■二次救急医療施設 最新情報
秦野市の二次救急医療を支える三つの病院。診療体制の強化が進む秦野赤十字病院と共に、神奈川病院と八木病院の先端医療への取り組みを紹介する。

●秦野赤十字病院
田中 克明 院長

◇市との連携で強まる医療
「市民に頼ってもらえる病院づくりが、ようやく実を結び始めましたよ」と笑顔で話すのは田中克明院長。かねてから地域医療をけん引するという使命感をもって病院運営に取り組んできた。
小児科において、生後1か月以上の乳幼児の入院も可能となった今年、皮膚科では、これまで市内にはなかった入院患者の受け入れも始まった。「患者さんが市内で安心して治療に専念できる環境が整いつつあります」と、医師が増えたことに伴うメリットについて力を込めて話す。
こうした環境づくりに欠かせないのが「市との連携」と田中院長は言う。「財政的支援はもちろん、東海大学医学部の救命救急科や小児科の医師派遣に協力していただいたことは救急医療体制の充実につながりました」と話す田中院長は、診療所など他の医療機関との連携や役割分担で、今後さらに市や東海大学医学部付属病院との協力体制を強化したいと期待を寄せる。

◇市内医療機関の要として
通常診療や救急医療に加え、秦野赤十字病院の持つ大きな役割が災害時の救護業務だ。
今年11月19日(土)、関東1都9県における日本赤十字社の各支部が一堂に会し、同院や市内小中学校を会場として、大規模地震を想定した傷病者などの救護訓練を実施する予定となっている。もちろん、秦野赤十字病院もこの訓練に参加する。
市内医療機関の要の一つとして、平時であっても災害時であっても、常に市民が健康で安心して生活できる環境をサポートしたいという田中院長。さらなる医療の充実のため、現在は救急診察室に隣接するCT室や、脳神経外科用の第2血管造影室の整備を進めている。
「私の残りの任期の1年半。休止中の診療科の再開など、全力で診療体制を整えていきます」と話す田中院長の目は力強く、輝いている。

●神奈川病院
新病棟の運用が始まって1年が経過した今年3月、最新技術が搭載された高機能MRI検査機器「MRI1.5テスラ」を導入。従来の機種では撮影できなかった脳静脈の細かな出血や脳の血流、脊椎の骨皮質などを詳細に把握することができるようになった。また、血管検査では、血管を見やすくする造影剤を使用せずに撮影できるため、体への負担が軽減された。
効果的な治療や救急医療の現場での活用が期待される。

◎高画質で微細に撮影

●八木病院
整形外科での積極的な診療に取り組み、最新機器による治療に力を入れている。「対外衝撃波疼痛治療装置」は、神経障害などの治りにくい痛みに対する新しい治療法。スポーツ選手を中心に、多くの患者が治療を受けている。また、従来では入院や手術が必要だった難治性の凍結肩や変形性関節症などは、エコー治療の導入により患者の負担が軽減された。
さらに今年から、最新のマンモグラフィー検査による乳がん検診をスタート。微細な石灰化や小さいしこりも画像に捉えることができるため、早期発見に有効だ。同院で子宮頸がん検診も同時受診できるため、利便性の向上も図られた。

◎マンモグラフィー検査用装置

問い合わせ:健康づくり課
【電話】82-9603

       

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