これは、今年度の水道週間のスローガンです。
蛇口をひねれば、当たり前に出てくる水道水。しかし、水道創設前の人たちにとっては、当たり前なものではありませんでした。水道週間をきっかけに、秦野の水道について一緒に考えてみませんか。
■秦野水道の「これまで」
住民の力で造られた水道施設
本市の水道は、明治23年3月に給水を開始した「曽屋水道」にさかのぼります。用水路に流れる水を普段の生活で使っていた当時、これを原因とするコレラが流行したことで、曽屋村の人口の3%に当たる81人が発病、25人もの犠牲者が出ました。
これをきっかけに、梶山良助氏や川口直次郎氏をはじめとする勇気ある住民が主体となり、「安全でおいしい水」の給水を目指して、水道施設計画の策定や資金調達など、実際の施工に至るまで全てを行い、自らの力で完成させました。
曽屋水道は、全国でも極めて早い時期に完成した水道施設として、その歴史的価値から平成29年に国登録記念物(遺跡関係)に登録され、令和2年には(公社)土木学会の選奨土木遺産に認定されました。
本市の水道は、まだ水道が当たり前ではない時代に当時の住民たちが造り上げた「汗と涙」の結晶であり、本市の貴重な財産です。
■秦野水道の「いま」
事業を支える水道料金
本市では、「多くの人に安全でおいしい水を配る」という思いを受け継ぎ、水道事業の整備・拡張が進められてきました。現在は、取水場47カ所、配水場27カ所、浄水場1カ所、送水ポンプ場3カ所といった水道施設から各世帯に水道水が供給されています。
水道施設の整備や更新など水道事業に必要な費用は、皆さんの水道料金から成り立っています。しかし、近年の人口減少や節水機器の普及などによる影響で、水の使用量が減少傾向にあり、水道料金の収入が落ち込んでいる状況です。
一方で、昭和40年代の高度経済成長期に造られた水道の管路や施設が令和10年から順次更新のピークを迎えるため、更新に要する費用の増加などにより、水道事業の経営はますます厳しくなっていくことが予測されます。
◎有収水量と水道料金収入額の推移
※令和2年度の水道料金収入については、新型感染症の拡大により、悪化した市内経済への対策の一助として、6月からの4カ月間、基本料金の全額および従量料金の10分の1を減額したことに伴い、大幅な減収となりました。
※有収水量:料金算定の対象となった水量
■秦野水道の「これから」
後世に引き継ぐために
生活に必要不可欠なライフラインである水道は、先人たちの努力により、今日まで受け継がれてきました。今後も将来にわたり守り続けるために、本市では、令和3年3月に「はだの上下水道ビジョン」を策定しました。
本ビジョンに含まれる財政計画と施設整備計画に基づき、「おいしい秦野の水と清らかに輝く名水の里 ひきつごう いつまでも」を基本理念に、事業を進めています。
このように経営基盤を強化するとともに、将来的にも安定したサービスを継続し、良質な秦野の水を後世に引き継げるよう努めています。
また、本市では、皆さんが安心して水道水が使えるように、水源から給水口まで、あらゆる角度から水質検査を実施し、飲み水としての安全性を確認しています。
水道事業を支えるためにも、飲料、料理だけでなく、入浴や感染症対策としての手洗い・うがいなど、さまざまな場面で引き続き安全な水道水を安心して使用してください。
・飲む
・料理する
・入浴する
・手を洗う
◆秦野水道の歴史のシンボル 曽屋水道記念公園
今年2月、湘南造園(株)から同社の創業100周年を記念に寄付されたヤマザクラの苗木を、曽屋水道記念公園に植樹しました。
この桜は、3月下旬から4月上旬にかけて花を咲かせ、公園を美しく彩ります。
水道の歴史を感じられるだけでなく、多くの人たちの思いが込められた公園を訪れてみてください。
◎アクセス
秦野駅北口から徒歩約30分または「渋沢駅北口行」・「横野入口行」バスで「宮前」下車すぐ
▼上下水道局からのお知らせ
○事業主の皆さんへ インボイス制度(消費税の適格請求書方式)が始まります
消費税の申告方法について、令和5年10月から消費税の仕入税額控除の方式として、インボイス制度が開始されます。
インボイス制度の詳しい内容は、国税庁ホームページを確認してください。
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問い合わせ:経営総務課
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